Korosuke's blog

大学の授業のまとめ、イギリスでの生活など、気ままにつづります。

London Spy 第1話 フレーズ集

11月9日から、BBC Twoにてドラマの新シリーズ「London Spy」が始まりました。

私はイギリスの演劇界には詳しくないのでよく知らなかったのですが、この主演のBen Whishaw(ベン・ウィショー)さん、23歳の時に演じたハムレットがとても素晴らしかったようで、今でも当時のお芝居を思い出して語っている人を見かけます。

 

このLondon Spyは、主役のDanny(Ben Whishaw)がある日Alexと名乗る男性(Edward Holcroft)と出会い、恋に落ちるも、Alexが突然姿を消す・・・というところから始まります。

 

恥ずかしながら、ドラマや映画の会話は、大学の授業よりも聞き取りづらく、Subtitleなしには理解できないことがほとんどです。意味がわからなかったもの、会話に使えるかもしれないと思ったもの等々、気になったものをランダムにまとめました。訳については、自分なりに調べて書いてみました。わからないけれども、とりあえず書いている、というものもあります。間違い等ありましたら、どなたか教えていただければ幸いです。

 

(以下、ドラマのセリフを抜き出していますが、ネタバレにはなっていないと思います。。)

 

第一話

I just had a hunch.  

 have a hunch =ピンと来る、予感がする

Are you out? 

 out =homosexual 深い間柄でもないのに、そんなこと聞くの?と思いましたが、その後の会話を聞くと、やはりこういう話をしているんだろうなと。

I'll let you get dressed. 

 着替えさるようにさせる=着替えなよ。

I must be easy to read. 

 考えてることがわかりやすい人間だろ?

Makes a change. 

 いつもとは趣向が違って楽しい。

The people I work with  are inscrutable. 

 inscrutable = 不可解な、謎めいた

I've never been more certain of anything in my life.

 今までの人生でこんなに確信を持ったことはない。

You never messed around? 

 mess around = グダグダする

In what sense?

 どういう意味で?どういう点で?

I wondered what I would be like to do these walks with someone.

 誰かとこのような散歩をしたらどんな感じだったのだろうかと考えた。

Not that I'm presuming you're seduce by me. 

 seduce 誘惑する

You've got to stop shaking my hand.

 握手を止めなければならない => 握手なんかやめてくれ。

It's never tidier than this. 

 これより整頓されていたことはない=>これでも整頓されている方なんだ。

You always knew you'd find someone?

 この場合のknowは「確信している」でしょうか。

 君はいつも誰かを見つけることができると確信している?

I'm not so old I can't remember what it's like to be smitten.

 be smitten=心を奪われる

What did you make of her?

 彼女のことをどう思った?

A tedious forms of self-loathing, that I've unsuccessfully tried to wean him off.

 自己嫌悪のつまらない形で、私は彼にやめさせることができなかった。

I presumed, if I bought him a drink, there wouldn't be a single second when he wasn't hoping for someone better to come along.

 私は思ったのだ、もし彼に一杯奢ったら、彼がより良い誰かが来るのを望んでいなかった時にsingle secondはなかっただろうと。(この文の意味はちょっとまだ考え中です)

I'm the one he comes to when times are tough.

 私は、厳しい時に、彼が来ることのできる唯一の人間だ。

He's an insuffereable romantic.

 彼は、鼻持ちならないロマンティストだ。

Does it fall to me to say...don't break his heart?

 it fall to someone =〜に義務がある。

 私は聞かねばならない(聞きたい)...彼を悲しませることはないか? 

I was numb.

 numb=感覚を失った

I'm afraid you'll have to excuse me.

 excuse meの丁寧な言い方。

 

(以上)

 

 

法律用語としてのラテン語 Legal terms in Latin

法律に出てくるラテン語

法律の専門用語にはラテン語が多く含まれています。ラテン語は、ローマ帝国の公用語だったこともあり、広くヨーロッパで学問で用いられている言語です。イギリスにおいては、1731年まで、法律上、コモン・ロー裁判所の記録はすべてラテン語で書くことが求められていました。その名残で、ラテン語が多く使われているのです。

 

今まで、教科書やペーパーで見たことのあるラテン語について、少しまとめておくことにしました。以下のラテン語は、比較的良く使われているものではないかな、と思います。Et cetraなど、ラテン語と知らずに使っているおなじみの言葉もありました!

ラテン語と英語の関係など、もっと掘り下げて勉強したら面白いのでしょうけれど、なかなか余裕がないです。

 

☆判決理由に関する用語

Ratio decidendi = 'The reason for deciding'  判決理由のうち、主文の直接的な理由となるもの

Obiter dictum='A remark in passing' 判決理由のうち、主文の直接的な理由とならないもの

 

☆法則・原則

Bona fide = 'In good faith'  信義誠実に従って 善意の

Clausula rebus sic stantibus ='By the clause the situation thus remaining' 事情変更の原則

(ちなみにEstoppel(禁反言の法理)はフランス語)

Pacta sunt servanda ='Agreement must be kept'  合意は拘束する

Stare decisis ='To stand by things decided' 先例拘束の原則

 

☆国際法で主に使われる用語

Opinio juris sive necessitatis ='An opinion of law or necessity'  法的信念(国際慣習法の成立要件の一つ)

Terra nullius ='Nobody's land'   無主の地

 

☆管轄 (ratione) にまつわる用語

Ratione materiae ='By reason of the matter' 事項的管轄

Ratione tempolis =' By reason of time'  時間的管轄

Ratione loci ='By reason of the place'  場所的管轄

Ratione persone ='By reason of the person'人的管轄

 

☆参考文献を記載する際に使う用語

Et al. (alii, aliae, alia) = 'And others' その他〜 および〜 (参考文献の著者が複数の場合に使います)

Ibid ='In the same place'  (既出の参考文献を記載する時に使います)

 

☆その他

A priori ='From what is before'  原理からすると 自明な

Ad hoc = 'To this'  臨時の 特定の目的のために

Ad valolem 従価の 価格に応じて

De facto ='In fact'  事実上の

De jure ='From law' 法律上の 適法な as a matter of legal right; by right

De minimis ='The law is not concerned with tribial matters'

Erga omnes ='Towards all'  全ての人に対して 対世効のある with respect to all states or persons in a relevant group

⇔Inter partes ='Between parties' 当事者間の

Inter alia = 'Among other thing'  とりわけ

(以下 j から始まる言葉は i で表記される場合もあります。そちらの方が主流だという人も)

Jus, Juris = 'Right; law'  権利 法

Jus cogens = 'Coercive law'  強行法規

⇔ Jus dispositivum = 'Law not settled by agreement'  任意規定

Non constat = 'It is not certain'   明白でないもの

Per pro (procurationem) = 'By the agency'  代理人が 代理人を通して

Prima facie ='At first sight' 一見明白な 一見したところ

Pro rate = 'In propotion' 比例按分して

Propria persona (pro per) ='In one's own person'   代理人によらず 本人が

Quasi ='As if , Almost'     準〜 に準じる

Spura ='Above'   以上 超えた 上記に 上に

Status quo ='The condition in which'   現状の

Urtra vires ='Beyond the power' 権限踰越 能力外

Vice versa ='Reversely'   逆もまた同様に 逆に

Viz. (Videlicet)  ='It is permitted to see' すなわち

 

現時点で、思いつくところは以上です。

 

参考文献

https://www.kent.ac.uk/library/subjects/lawlinks/skills-hub/docs/GlossaryofLegalLatin.pdf

Fellmeth, A., & Horwitz, M.(2009). Guide to Latin in International Law. : Oxford University Press. Retrieved 2 Nov. 2015, from http://www.oxfordreference.com/view/10.1093/acref/9780195369380.001.0001/acref-9780195369380.

 

ロンドンはすっかり秋が深まりました。日本のようにしっかりした葉っぱのまま色づく木は少ないように思います。この写真のように木に付いている時点で枯葉状態になっているものがほとんど…。とはいえ、芝生とのコントラストが綺麗なのがイギリスならではかな、と思います。

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判例の検索方法(米国編)

米国の判例を調べる必要があったので、検索することに。

米国の判例は、LEXISやWestlawといったデータベースでCitation(引用)から検索するのが一般的なようです。

 

Citataionは、一般にUniform System of Citationという方式が採用されており、

『事件名, 判例集の巻数, 判例集の略称, ページ数(判決を言い渡した年)』

となっています。

 

☆判例集の略称について

◎合衆国最高裁判所の判例の略称

公式な判例集

U.S. = U.S.Reports (合衆国判例集)

主な非公式な判例集

S.Ct. = Supreme Court Reporter

L. Ed. = United States Supreme Court Reports, Lawyers' Edition

◎連邦下級裁判所(控訴裁)

West社から発行されている判例集

F. = Federal Reporter (F.2dやF.3dは2d series, 3d seriesを意味する)

F. Supp.  = Federal Supplement (こちらも上記と同様 2d.と付いているものがある)

下級裁判所の場合は、年号の前に地方裁判所名もカッコ内に記載されています。

◎州裁判所

公式判例集は各州から出されており、略称は州名の略称が使われています。

例:N.Y. = NewYork

またWest社から非公式な地方別判例集が出されています。

例:N.E. = North Eastern Reporter

       So. = South Reporter

 

授業で少し教えてもらっていたので、すぐに検索できるだろうと鷹をくくっていたのですが、citation検索をしても全くヒットせずイライラするはめに😣

しかし、Westlawのサイトの中をうろうろしているうちに、ようやく在りかがわかりました。

とても単純なことだったのですが、大学のHPにあったリンクはWestlaw UKだったので、そのリンク先にはUK関連の判例・法令情報しかなかったのです。右上にある小さな’Services'にカーソルを当ててみると、Westlaw Internationalというのがしっかりあって、そこをクリックすると米国の判例を検索できるページがめでたく開きました。

日本の大学等の施設を利用して外国の判例検索をする時には、Westlaw UKなんてでないでしょうから、こんな事態にならないのでしょうが・・・。

さらに、検索して出てきた判例をダウンロードしようと思ったら、なぜかどのボタンを押してもできない、これはおかしいと思っていたら、ポップアップがブロックされていました。右上に出てくる「ポップアップがブロックされています」という表示があまりにも早くに引っ込んでしまうので、そちらで解除することもできず、一時的にChromeの設定でポップアップのブロックを解除してダウンロードすることにしました。

資料を検索して集めるだけで時間が過ぎてしまう…ということがままあるので、さっと収集して資料を読むこと等に集中できるようになりたいと思います。

 

 

 

 

 

 

エディンバラ観光②

今回も引き続きエディンバラの観光について。

 
エディンバラの街はこじんまりとしており、だいたいの観光名所は集まっています。とはいえ、高低差があり、旧市街は石畳の道が多いので歩くと少し疲れます。
 
エディンバラ城

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 岩山の上にそびえ立っていて、メインストリートであるプリンス・ストリートからもよく見える街のシンボル的な存在です。
 

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城壁の中は、このような石造りの建物がいくつかあります。
丘の上にあるため、お城の敷地からの眺望はなかなか美しいです。日曜日を除く毎日13時に、広場で大砲を撃つデモンストレーションが行われ、写真やビデオにおさめようと人々が集まります。"One O'cloclk Gun"と呼ばれており、その昔は、航海をしている人に正確な時刻を知らせるために、鳴らしていたとのことです。一瞬で終わってしまいますし、長時間待つほどのものではないかな…と思いますが、その時間帯に訪れるということであれば、少し待ってみてもいいかな、と思います。
 
ホリールードハウス宮殿
1128年にスコットランド王、デイヴィッド1世によって建てられた寺院が前身で、建物を増築したりしながら、15世紀に国王の住居として使用されるようになったとのことです。

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現在は、エリザベス女王が夏季休暇中に利用されるようです。

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こちらは教会の跡地。なかなかの趣がありました。
 
カルトン・ヒル

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このアテネの神殿風のモニュメントは、19世紀にナポレオン戦争で亡くなった兵士の慰霊のために造られ、予算の不足で未完成のままに終わってしまったそうです。

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カルトン・ヒルからの街の眺め。向こうに、エディンバラ城が見えます。
 
カルトン・ヒルからは海も見え、エディンバラが北のアテネと言われたのもうなずけるほど美しい景色を目にすることができます。訪れるまでは、ただの小高い丘でしょ、と思っていましたが、実際に行ってみるとエディンバラの美しい景色をより一層感じることができるので、とてもおすすめのスポットです。
 
スコット・モニュメント
エディンバラ駅を降りたらすぐに目に付く、この大きなモニュメントはスコット・モニュメントという名前で、新市街の中心通りプリンセス通りに立っています。近くには観覧車や子ども用のトランポリン?などがあり、賑やかな場所です。

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#逆光ですみません。
 
エディンバラ生まれの文豪ウォルスター・スコット(Walter Scott)を記念して、George Meikle Kempという建築家が建設したゴシック調の荘厳な建物です。
 
中に入って上まで登ることができ、途中のスペースには小さなミュージアムがあります。上に行くほど狭まっていく構造上、階段もどんどん狭くなっていき、最後の方は片側でしか通れないほどです。
 

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#遠くにカールトン・ヒルが。手前の時計台はホテルです。

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#エディンバラ城と手前にあるのは博物館。隣に観覧車も写っています。

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 一番上まで登ると、このように街を一望することができます。
お天気の良い日は最高ですね♪
 
記念写真を撮る際に残念なのは、柵があるために景色と人を一緒にうまく撮ることができないことくらいでしょうか。
 
 
エレファント・ハウス
こちらは、ハリー・ポッターの著者、J.K.ローリング氏が通っていたお店として有名になり、多くのファンが訪れているお店です。

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#約1年前に訪れた時の写真

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トイレには、ローリング氏へのメッセージが所狭しと書かれています。最初見た時はすぐに彼女へのメッセージとは気づかず、あまりの凄まじい落書きに驚きました。
 
1年前に行った時とは、メニューも注文のシステムも変わっており、個人的には残念な気持ちになりました…。お客さんの回転を少しでも良くするための変更なのでしょうけれど、雰囲気の良いカフェという印象はなくなってしまいました。観光名所になってしまうと、仕方ないのかもしれませんね。
 
Oink
ポークサンドのみを取り扱っているお店で、いつも行列ができている人気店です。
 エディンバラ城につづくメイン通りであるロイヤル・マイルからジョージ4世橋を左に曲がり、ヴィクトリア通りを進むと豚さんのマークのある小さなお店が見えます。
 
日本人が皆美味しいと思うか、と言われると難しいですが、ローストポークとソース、パンがよく調和していて、短期間の滞在にもかかわらず2回も買ってしまいました。
ちなみに、ソースとパンは選べますが、おすすめはアップル(イギリスではポークにはアップルを合わせることが多いです)ソースと、ブラウンブレッドです。(パンはこちらにしては珍しくフワフワ系です)。
 
エディンバラは観光スポットがいっぱい、といったタイプの街ではなく、街全体の景色・雰囲気をゆっくり楽しむのがいいところかな〜と個人的には思います♪
 
 
 
 
 
 
 
 

エディンバラ観光①

更新が滞り、開店休業状態になっておりましたが、ぼちぼち再開したいと思います。

本日は、観光の話を。

先日、Military Tattooを観に、エディンバラまで行ってまいりました。

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MIlitary Tattooとは、エディンバラで60年以上開催されている軍の音楽やダンスなどパフォーマンスが披露されるイベントです。

スコットランドの音楽隊をはじめ、毎年各国からゲストが呼ばれる大規模なイベントで、エディンバラのフリンジ、国際フェスティバルとあわせて夏の一大イベントとなっているようです。

8月の1ヶ月間催され、観客の総数は22万人にものぼるそうです。そのうち3割は海外からの観光客!

イベントのはじめに、MCの人が「◯◯から来た人〜!」「イエーイ!!」みたいなのをやっていましたが、世界各国、特にヨーロッパから多くの人が来ているんだなぁと実感しました。

(ちなみに、日本人はほとんどいなかった模様)

 

ライトアップされたエディンバラ城がより一層演奏や踊りを幻想的なものにします。

 

ゲストの中では、特に、スイスの「Top Secret」という軍隊ではないグループのパフォーマンスが素晴らしかったと思いました。

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イベントの最後は、全員が集合して、「戦争に行って帰って来なかった人たちのことも忘れてはいけません」といった過去の戦争への反省のような言葉が述べられ、軍隊かっこいい、すごいね、では終わらないように締めくくられます。

期待通りのイベントで、大変満足でした♪

 

反省点・・・

1. 前から2列目の席で、音響の機材が少し邪魔で見えにくい時があった。

2. 想像以上の寒さ。野外のイベントは、たとえ夏でも防寒対策はきちんとしないといけないですね。


【追記】

イギリスのみならずヨーロッパからもたくさんの人が集まる大人気イベントなので、チケットは早くに売り切れてしまいます。できる限りチケット発売初日に購入されることをオススメします。チケットは前年の12月1日(イギリス時間10時)に発売されます。

公式サイト http://www.edintattoo.co.uk

また、ホテルも早くに埋まってしまいます。私は、ibis Edinburgh Centre South Bridgeを利用しました。お部屋も綺麗ですし、エディンバラ城からも近く便利でした。この時期は、とってもお値段が高くなります…。それでも、良さそうなホテルはすぐ埋まってしまうんですよね。それだけ、夏のエディンバラは魅力的だ、ということなのでしょう。


 

 

 

 

 

 

国際法 International Law 法源 その1

国際法

日本の大学でも授業を受けたことがある科目なのですが、本当につまらなかったです…。授業だけのせいにしてはいけませんが、当時は、生きたものとして国際法を考えることができませんでした。

国際法は、安全保障や国際関係論等との関連性が深く、それらへの関心がないと、何をやっているのかよくわからなくなるのだと思います。私の学生時代は、国際関係論への関心がそもそもなかったことが問題だったのでしょう。

 

と、ここからは、授業の復習。今の授業では、基本的なとこからかなり丁寧に教えてくれています。法源に2週も費やしています。(以下は主にレジュメに基づいて作成した個人的なメモになります。)

 

☆国際法の法源とは?

国際司法裁判所規程38条1項cによると

①International convention (国際条約)

②International customs (国際慣習)

③The general principles of law(法の一般原則)

ーここまでがLaw

④Judicial decisions and the teachings of the most highly qualified publicists of the various nations (裁判上の判決及び諸国の最も優秀な国際法学者の学説)は、subsidiary means for the determination of rules of law(法則決定の補助手段)として扱われる。

 

☆Questions

◯慣習は、どうしたら慣習法になり得るのか?

 

上記38条には、「法として認められた一般慣行の証拠としての国際慣習」とあるが(そもそもこの定義は、”法として認められたモノが法になる”というパラドックスを抱えているのだけれど)、国際司法裁判所は慣習国際法の形成要件として以下の2つの要素をあげている。

 

a) State practice( 国家慣行)

 ①「practice」とみなされるには、uniform(均一、統一的なもの)でなければならない。

②must be general (majority) (大半の国)の慣行となっていることが必要(universalである必要はない)。

③ただし、全ての国が等しく扱われるわけではなく、specially-affected States(特別の利害関係を有する国家)の慣行が考慮される。

④実施期間は、伝統的には、time immemorial(はるか昔から)とされてきた。

 しかし、North Sea Continental Shelf(北海大陸棚)ケースでは、

「短期間の経過であってもその事自体は新しい国際慣習法規の形成を妨げず、重要なことは、その期間内に特別の利害関係を有する国を含む国家の慣行が広範かつ実際上の一致をみることである」としている。

(参考:ICJ Reports 1969 p.3 para.73)

Although the passage of only a short period of time is not necessarily, or ofitself, a bar to the formation of a new rule of customary international law on the basis of what was originally a purely conventional rule, an indispensable requirement would be that within the period in question, short though it might be, State practice, including that of States whose interests are specially affected, should have been both extensive and virtually uniform in the sense of the provision invoked and should moreover have occurred in such a way as to show a general recognition that a rule of law or legal obligation is involved. (下線追加)

 

b) Opinio juris sive necessitatis (法的確信、法的信念)

訳を見てもそれって何?という感じのこの言葉。

現代国際法講義(杉原他、第五版)によると「当該行為の慣行が法的権利義務の観念を有するとの規範認識」。

 

要は、国家が「法的義務である」という意識を持って行われていることが必要、ということになります。

 

これについては、先生が、とてもわかりやすい例をあげてくれました。

「A国が100年前からB国に対して毎年クリスマスに毛布を100万枚贈与している。この場合、A国がある年から急に贈与をやめた場合、国際法違反に問われるか?(つまりこの行為は慣習法と言えるか)」

上記のa)の要件については満たしていると言えます。他方、b)については、一般的には、A国が当該行為が法的義務に基づいたものであるという意識を持って行っているとは言い難く、よって、毛布の寄贈行為は慣習法ではないと言うことができます。

 

上述のNorth Sea Continental Shelfケースでは、

The States concerned must therfore feel that they are conforming to what amounts to a legal obligation... The frequency, or even habitual character of the acts is not in itself enough.

(関係国は、法的義務に相当するものに従っているとの感覚がなければならない)

 とあり、opinio jurisが必要としています。

 

ただし、この要件は主観的な要件のため、認定が難しいです。

● 一般的な国家慣行があったとして、opinio jurisもあるということを推測できるのか?

● opinio jurisに関する見解がわかれた場合はどうするのか?

といった問題があります。

 

1つ目の問題については、Northern Sea Continental Shelf ケースは、以下のように述べて、厳格に判断しています。

 

The position is simply that in certain cases - not a great number - the States concerned agreed to draw or did draw the boundaries concerned according to the principle of equidistance. There is no evidence that they so acted because they felt legally compelled     ... by reason of a rule of customary law obliging them to do so…  

単に、あるケースにおいて、関係国が等距離の原則に従って国境を引くことに同意したというに過ぎず、法的義務があるという感覚がある故にそのように行動したという証拠はない。(→等距離の原則が一般的な国際慣習法になっているという証拠はない)

 

判決の該当箇所だけ抜き出しても、何の事かわからなくなってきたので、北海大陸棚事件について、次回以降の記事でまとめたいと思います。

 

2つ目については、見解が分かれている場合には、opinio jurisがない、つまり当該慣習は国際慣習法とはならない、となるようです。

 

【核兵器による威嚇または核兵器使用の合法性事件(ICJ Reports 1996 (Ⅰ), P.226 para.67)】

核兵器の不使用がopinio jurisの表明にあたるかどうか、について。

 

Furthermore, the Members of the international community are profoundly divided on the matter of whether non-recourse to nuclear weapons over the past fifty years constitutes the expression of an opinio juris. Under these circumstances the Court does not consider itself able to find that there is such an opinio juris.

過去50年にわたる核兵器の不使用がopinio jurisの表明にあたるかどうかについて、国際社会の構成員には深刻な見方の対立がある。かかる状況の下において、裁判所は、かかるopinio jurisの存在を見出すことができるとは考えない。

 

慣習法については、あと少し残っているので、次回に続きます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

ブログをはじめた理由。

2014年に、留学のためにロンドンにやってまいりました。

 

大学の授業を受けて気づいたのは、

①授業のコマ数は少ない

②しかし、課題は多い

③授業を完全には聞き取れず、当日中に消化できることは少ない

ということ。

 

予習復習をどうしていったらよいだろう…こりゃ自己管理が重要だわ、と気づき、自分自身のペースメーカーのために、ブログを開設することにしました。

 

と、同時に、日々のちょこちょことしたことも綴っていきたいと思います。

 

どうぞよろしくお願いします。

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 エディンバラの風景。